第3回:インフレ指標(CPI)を理解する
読了時間 8 分
| 難易度 |
|
|---|---|
| マニア度 |
|
| 重要度 |
|
前回は、米国雇用統計の見方と株価への影響を解説しました。
第3回で取り上げるのは、CPI(消費者物価指数)です。
ニュースで「インフレ」「物価上昇」という言葉をよく耳にするようになりましたよね。「CPIって何?」「なぜFRBはインフレを気にするの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
CPIの基本を押さえておくと、FRBがなぜ金利を動かすのか、その背景が理解できるようになります。
本記事では、CPIの基本から、FRBとインフレの関係までを分かりやすく解説していきます。
CPI(Consumer Price Index)とは、私たちが日常的に購入するモノやサービスの価格がどれくらい変化したかを示す指標です。
ひとことで言えば、「生活費の変化を測るものさし」です。
食品、家賃、電気代、ガソリン、衣服など、私たちの生活に欠かせないものの価格をまとめて計算しています。
アメリカのCPIは毎月中旬に労働省から発表され、日本でも総務省が毎月CPIを発表しています。
CPIが前年より上がっていれば「インフレが進んでいる」、落ち着いていれば「インフレが収まってきている」と判断できます。
FRB(連邦準備制度理事会)は、アメリカの中央銀行です。FRBには大きく2つの使命があります。
このうち、CPIは「物価の安定」を測る重要な指標です。
FRBは「インフレ率2%」を目標にしています。なぜ2%なのでしょうか?
インフレ率が高すぎると、モノの値段がどんどん上がり、生活が苦しくなります。
一方で、インフレ率が低すぎる(またはマイナス=デフレ)と、消費者が「もっと安くなるかも」と買い控え、経済が停滞してしまいます。
2%程度の緩やかなインフレは、経済が健全に成長している証拠とされています。
だからFRBは、インフレ率が2%を大きく超えると金利を上げてブレーキをかけ、2%を下回ると金利を下げてアクセルを踏むのです。
第2回で解説したように、金利の動きは株価に影響します。そのため、CPIの発表は株式市場でも大きな注目を集めています。
ニュースでは、CPIには2種類の数字が報道されることが多いです。
① 総合CPI
全ての品目を含んだCPIです。私たちの生活実感に近い数字ですが、食品やガソリンの価格変動に左右されやすいという特徴があります。
② コアCPI
価格変動が激しい食品とエネルギーを除いたCPIです。
食品やガソリンの価格は天候や国際情勢で大きく上下します。それを除くことで、「インフレの本当のトレンド」が見えやすくなります。
FRBが政策判断をする際には、コアCPIを重視する傾向があります。ニュースを見るときは、総合CPIとコアCPIの両方をチェックしておくと、より正確に状況が把握できます。
ここまで、雇用統計とCPIという2つの経済指標を見てきました。
どちらもFRBの金融政策に影響する重要な指標ですが、「そもそも今、景気は良いの?悪いの?」「これから景気はどうなりそう?」という疑問も出てきたのではないでしょうか。
次回は、景気の「今」と「これから」を知るための指標、GDPとPMIについて解説します。
Q.下の選択肢のうち、正しいものはどれ?
正解!
不正解...
正解はC.コアCPIは、食品とエネルギーを除いた物価の変化を測る指標である。です。
問題に戻る
前の記事
第2回:雇用統計とは(米国編)
CPIは消費者が購入するモノやサービスの価格変動を測る指標で、企業の生産量ではありません。FRBはインフレ率2%を目標にしています。総合CPIは全ての品目を含むため生活実感に近く、コアCPIは価格変動の大きい食品・エネルギーを除いた指標です。FRBが政策判断をする際には、インフレのトレンドが見えやすいコアCPIを重視する傾向があります。